トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2020/11/20


 今回は相談事例を通じて、相続に必要な戸籍が請求できる方についてご紹介します。



 先日兄が亡くなりました。兄には子がなく、両親は既に亡くなっているため、私と私の妹が相続人になります。兄の預金の解約手続や不動産の名義変更を行うために戸籍を取得したいのですが、兄や妹の戸籍を私が請求することはできますか。




 あなたには相続人として亡くなった方の財産を相続する権利があるため、相続手続に必要な戸籍を請求することができます。ただし請求する際には戸籍が必要な正当な理由を明らかにしなければなりません。




 戸籍を請求できる者は以下のように定められています。(戸籍法第10条・第10条の2)

  1. @戸籍に記載されている本人、またはその配偶者、その直系尊属(父母、祖父母等)若しくは直系卑属(子、孫等)
  2. A自己の権利の行使または義務の履行のために必要な方
  3. B国または地方公共団体の機関に提出する必要がある方
  4. Cその他戸籍に記載された事項を利用する正当な理由がある方
 傍系親族(兄弟姉妹、叔父、叔母、甥、姪など)の戸籍は取れないのが原則ですが、相続手続のために必要な場合は「自己の権利の行使または義務の履行のために必要な方」に該当し、相続人であることが分かる戸籍や本人確認書類を提示し、戸籍が必要な理由、使用目的や提出先等を市町村役場に伝えることで戸籍を請求することができます。

 今回の場合、あなたとお兄様の関係を証明するためには、まずお兄様にお子様がないことを証明します。その証明はお兄様の出生から死亡までの連続した戸籍謄本で行います。次にご両親の死亡が確認できる戸籍、あなたがご兄弟であることを確認するためのあなたの現在戸籍も必要です。

 相続関係を証明するためには、これらすべての戸籍に加え、さらに広い範囲の戸籍を収集する必要があります(ご兄弟が何人いるかを証明するため、ご両親の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、ご兄弟の中で死亡している方がいればその方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、死亡したご兄弟にお子様がいればそのお子様の現在戸籍または死亡の記載のある戸籍、等)。

 このように、兄弟姉妹が相続人となるときは集める戸籍も多く、その都度市町村役場に提示する戸籍も多いため、集めるのに大変な手間がかかり、中には何ヶ月もかかるケースもあります。

 弁護士等(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士または行政書士)の専門職であれば、職務上請求書で交付請求をすることができ(戸籍法施行規則第11条の2第4号)、特に戸籍の収集を業務としている専門家であれば、古いくずし字などで書かれた戸籍を読むことにも慣れているため、比較的スムーズに収集ができると思います。そうした専門家でも戸籍の収集には数か月かかることも稀ではありません。ご自身で戸籍を請求するのが難しい場合は、お早めに専門家にご相談されることをおすすめします。

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